ベア(下降)ペナントは、下降トレンドの継続を目指す弱気のチャートパターンで、そのため、コンティニュエーション（継続）パターンと考えられています。ベアフラッグと同じように機能しますが、唯一の違いは、保ち合い期間の後、さらに下降を目指す弱気パターンであるという点です。
フラッグチャートのパターンでは、２本の平行線の中で値動きが保ち合いとなるのに対し、ペナントでは、ブレイクアウトが起こるまでの間、２本の収束線内での保ち合いとなります。
ここでは、弱気のペナントがどのように機能するのか、その構造や長所・短所を見ていきます。また、弱気のペナント・パターンで取引を行って利益を上げるための戦略をご紹介します。
弱気のペナントは、強い下降トレンドと、下降トレンドに続く保ち合い期間という２つの局面から成り立っています。ベアフラッグと同様、保ち合い局面は下降トレンドに起因するものでなければならず、そうでない場合は、通常のトライアングルに過ぎません。
ブレイクアウトすると保ち合いの局面は終了します。２本のトレンドラインが平行して走っており、保ち合いが長く続く可能性の高いベアフラッグ とは異なり、上下のトレンドラインが収束していることを考えるとブレイクアウトが早く生じる傾向にあります。
ベアペナントは３つの要素で構成されています。
旗竿 - 下降トレンドで発生する。
ペナント - ２本の収束線の間での保ち合い局面となる。
ブレイクアウト – 下側のトレンドラインをブレイクするとこのパターンが有効となり、上側のトレンドラインをブレイクするとこのパターンは無効となる。
一時休止は、買い手が新安値を作った後に反発を起こすためにのみ利用されるわけではありません。値動きの主導権を握っている売り手は、この一時的な小休止を利用して利益を確定し、次の下押しに備えます。
ベアフラッグと同様、保ち合い局面では、先行する下降局面（旗竿）の50％フィボナッチリトレースメント は超えないはずです。50％弱のところまで戻す場合は、下降トレンドがそれほど強くないことを示しています。したがって、強いベアペナントは38.2％付近まで修正したら、下側のトレンドラインをブレイクします。
ベアペナントは、既存の下降トレンドが継続するのを助長する傾向があるため、コンティニュエーション・パターンであると前述しました。弱気のペナントの最大の長所は、現在のトレンドがどの段階にあるのかをトレーダーが特定できることです。したがって、ペナントは、旗竿とペナントのおかげで正確分析することができるため、トレーダーは比較的容易に取引のタイミングを掴むことができます。
旗竿、ペナント、ブレイクアウトの３つの条件をすべて満たすフォーメーションで、38.2％程度で終了する修正がある場合は、ベアペナント・パターンとなります。修正期間が短く、穏やかであればあるほど、下降トレンドは強くなり、最終的にブレイクアウトします。
ペナントにはフラッグと同様の短所があります。すなわち、保ち合い局面が長引く場合は、反転パターンになる可能性があります。このため、ブレイクアウトが発生する前に取引を開始することは避け、ブレイクアウトを確認する際には常に他のテクニカル指標を同時に参考にすることが重要です。
どのチャートパターンでもそうですが、具体的なチャートパターンを見つけるには、段階を追って進めます。まず、下降トレンドを確認する必要があります。次に、ペナントの形をした保ち合い局面を見つけます。
下のNZD/USD ４H チャートでは、値動きが下降していることから、売り方が主導権を握っていることがわかります。下降トレンドに入る前、NZD/USDは高値付近で取引されていましたが、チャート上部の水平のレジスタンスライン を上抜けようとして２回失敗しました。
この失敗により、下降トレンドを開始しました。最初の下降（旗竿）の終わりに、価格は前回のスイングの安値のレベル、つまり水平方向のサポートライン近くで反発しました。
その後、安値から買い手が値動きを後押しすることで、保ち合い局面に入ります。３回連続して高値を下回り、リバウンドの延長に失敗した後、売り手が値動きの主導権を取り戻し、価格をペナントの下に積極的に押し込みます。ここでブレイクアウトが確認され、具体的な取引を決めていくことになります。
反転の可能性から身を守るために、ロングトレードに入る前にブレイクアウトが起こるのを待つことが大切です。ブレイクアウトが起こるまでは、ベアペナントはまだ下書き状態であり、値動きはいつでもトレンドを反転させて上方突破する可能性があることを覚えておいてください。
チャートパターンには、エントリーの選択肢が２つあります。ブレイクアウトしたローソクがペナントの下側のラインを下回る水準で引けたら、すぐに市場にエントリーするか、あるいは最終的に、値動きが戻ってブレイクしたペナントを再び試すのを待つかです。
後者はエントリーが高い価格で行われ、逆指値がエントリーに非常に近いため、リスクが小さくなります。前者では、今回の事例のように、スローバックが必ず生じるという保証はないため、取引チャンスを逃さずに済みます。
このトレンドの強さは、買い手が水平方向のレジスタンスラインをクリアするのに何度も失敗したことにでブレイクアウトが非常に強くなり、２つ目の選択肢はありませんでした。
そのため、エントリーはブレイクアウトしたローソクが引けたところで行います。逆指値は、ペナントの領域内に設定され、サポートラインの上方に移動してクローズした場合は、このパターンは無効になります。
指値は、ブレイクアウトのポイント（斜めのトレンドライン）から旗竿をコピー＆ペーストして決めます。トレンドラインの終点は、ベアペナント・パターンが完成する水準を示しています。
下降トレンドの全体的な強さを考えると、私たちの指値注文は数日のうちにヒットするでしょう。この取引では、約20pipsのリスクを負って11pipsを獲得しており、これは非常に魅力的なセットアップだと言えます。