トレンドの動きを利用することは、すべてのトレーダーの目標です。
トレーダーとしては、自分を勝ち組に位置づけ、ポートフォリオや資本を損ねるような反転に巻き込まれないようにしたいものです。トレンドのような動きは通常、市場の反転とともに始まります。新しいトレンドに乗るのが早ければ早いほど、利益を得られる可能性が高くなり、リスク・リターンの比率も良くなります。
この記事では、リバーサル(反転)パターンの定義、その仕組み、そして市場が何を伝えているのかを見ていきます。また、市場の反転をどのように利用すべきかを示す簡単な取引戦略をご紹介します。
リバーサル・パターンは、コンティニュエーション(継続)パターンとは逆のパターンです。コンティニュエーション・パターンは、一時的な休止が終わり、ブレイクアウトが確認された後、現在のトレンドが継続する可能性が高いことを示すシグナルであるのに対し、リバーサル・パターンは、トレンドの方向性に変化が迫っていることを示します。また、リバーサル・パターンは、コンティニュエーション・パターンよりも形成されるまでに時間がかかります。これは、市場が進路を変更するよりも同じ方向に進む方が簡単だからです。
例えば、売り方が疲れを感じるほど相場を下げると、今度は買い方がトレンドの方向性を変えるきっかけとなり、相場を上げていきます。このように、反転することで新たなトレンドの動きが始まるため、トレーダーにとってはそこが新たな取引の機会となります。
つまり、新しいトレンドが始まっても、その前の相場が横ばいであれば、反転が起こる可能性は大いにあるということです。下の写真は、ダブルトップのリバーサル・パターンを経て、トレンドの方向が変わったことを表しています。
反転は通常、強力なレジスタンスライン/サポートライン のブレイクアウトから始まりますが、それ以前にもトレンドの方向性の変化が迫っていることを示す兆候はあります。トレンドの特徴は、一連のロウワー・ハイとロウワー・ロー(下降トレンド)、または一連のハイヤー・ハイとハイヤー・ロー(上昇トレンド)に現れますが、トレンドの勢いが弱まる兆候が事前に見られる場合があります。 例えば、ヘッド&ショルダーパターン が形成されると、一連のハイヤー・ハイは3つ目のピークで破られ、そのピークは前のピークよりも低い価格で形成されます。また、ダブルボトムの場合は、売り手が前回の安値を突き破ることができず、ロウワー・ローではなく同値の安値を形成します。
定義上、勝ちが予想しやすい方に賭ける方が安全なため、リバーサル・パターンの取引はコンティニュエーション・パターンの取引よりもリスクが高いはずです。しかし、トレンドの初期段階では最も強い傾向があるため、リバーサル・パターンも十分に活用できます。
最初は市場の一方の側が支配的であり、そのため価格を望む方向に押し出すことに成功しますが、しばらくするともう一方の側がゲームに参加するようになり、バランスが取れてきます。そして、今度はもう一方の側が優位になっていき、トレンドの方向性に変化が生じます。
このような場合、市場は全体的なトレンドが終わりに近づいていることを伝えており、値動きは一瞬で変わる可能性が高いです。このように、シグナルが揃い、市場が方向転換する可能性が高まっていれば、リバーサル・パターンは素晴らしいリスク・リターン比率を提供します。
リバーサル・パターンの最大の短所は、トレーダーは、その時点ではまだ負けている側に賭けることになるという点です。例えば、上昇トレンドでは買い手が主導権を握っていますが、反転を期待することで、これまで負けていた売り方に賭けることになります。しかし、変化のシグナルが出ていても、市場が同じ方向に進む可能性は常にあるため、リスクは大きくなります。
リバーサル・パターンには、さまざまな形があります。一般的には、強気のリバーサルと弱気のリバーサルに区別されています。ここでは、両方のカテゴリーから最も人気のあるリバーサル・パターンをいくつか見てみましょう。
ダブルボトム
ダブルボトム パターンは、下降トレンドの底で発生する強気のリバーサル・パターンで、これまで値動きの主導権を握っていた売り方が勢いを失っていることを表しています。つまり、このパターンは、トレンドの方向性が下降トレンドから上昇トレンドに変わることを示しています。 安値が二股に分かれており、アルファベットのWに似ているのが特徴です。 トリプルボトム
トリプルボトム は、その名の通り、ほぼ同じ価格で付けられた3つの安値で構成されています。これは、下降トレンドの終わりに見られる強気のリバーサル・パターンです。このパターンは、売り方が3回連続して最低値を破れなかったことから、トレンドの方向性に変化が迫っていることを示唆しています。
ヘッドアンドショルダー・パターンの強気バージョンは、逆ヘッドアンドショルダー や逆三尊天井などと呼ばれています。逆ヘッドアンドショルダーは、下降トレンドの終盤に見られる強気のリバーサル・パターンです。3つ目の安値(右肩)が前回のピークよりも高いレベルにあることから、一連のロウワー・ローを続けることができず、売り方はガス欠状態になっています。
強気V字型リバーサルは、強い下降トレンドの後に起こります。また、価格が急落した後に、急上昇する傾向があります。このリバーサル・パターンは、市場が突然方向転換することがあることから、予測や取引が困難なフォーメーションであると考えられています。また、 V字型の反転は、「スパイク」反転、または「Vボトム」などと呼ばれることもあります。