丸坊主のローソク足パターンは、1本のローソク足に関するパターンで、見極めやすいストレートなフォーメーションです。
丸坊主のローソク足は3種類あります。
そして、この3つの種類それぞれに対し、強気バージョンと弱気バージョンがあります。
あるパターンが丸坊主のローソク足フォーメーションに分類されるためには、始値または終値の少なくとも一方がフラット(芯がない状態)である必要があります。
完全な丸坊主の場合、始値と終値の両方がフラットになります。つまり、一定の方向に進みながら期間を開始し、期間が終了するまでその方向に進み続けたということです。そのため、始値と終値は高値と安値と同じ価格になります。
始値丸坊主の場合、始値がフラットになります。つまり、値動きは一方向に動いていますが、完全な丸坊主ローソクとは異なり、反対側の終値は高値または安値とわずかに異なるということです。そのため、始値はフラットで、終値側に短いヒゲが発生している形になります。
終値丸坊主の場合、始値丸坊主とは逆で、終値がフラットになっていて、値が一方向に強く動き始める前に、わずかに他の方向に動いていたことを表しています。
丸坊主は、市場が一方向のトレンドで動いているというメッセージを発しています。ローソク足を分解してみると、その期間、強力に一方向に取引されていたことがわかります。
この特徴は、始値丸坊主と終値丸坊主ローソクにも当てはまり、どちらかに小さなヒゲがあるにもかかわらず、買い手か売り手が他方を圧倒していたことを意味しています。
弱気の丸坊主の場合、売り手が市場を完全に支配しており、望ましい方向にコントロールしていることを表しています。強気の丸坊主の場合はその逆で、買い手側が市場を支配していることを表しています。丸坊主のローソク足がレジスタンスラインやサポートラインの近くで発生した場合は、現在のトレンドをさらに強めることになるため、とても重要になります。
任意の日のチャートを取ると、丸坊主のローソク足パターンのいずれかの形を見つけることができるでしょう。
下のチャートでは、USD/CADのチャートで、強気の始値丸坊主ローソク足を確認することができます。
下降トレンドの後、横ばいで取引され、保ち合い局面となりました。ある時、強気派が価格を押し上げて主導権を握り、最終的には始値と安値が同じ価格で、終値と高値が離れたローソク足を作っています。
このセッションでは、最初から最後まで値動きを支配していたのは買い方であり、トレンドは強気になっているということを表しています。その後、トレンドは上昇を続け、最終的に短期的な新高値を更新しました。
丸坊主のローソク足パターンでの取引は、エントリー、指値、逆指値 の観点から、ハンマー・パターンを使った取引よりも難しくなります。また、これらどちらのパターンも見つけるのは簡単ですが、取引の判断要素がそれほどありません。
ハンマー・パターンでははっきりと高値か安値が出るので、それが逆指値を決めるのに使われますが、丸坊主の場合は他のテクニカル指標に左右されます。
このケースでは、強気の始値丸坊主が生成されていて、トレンドが継続する可能性が高いことを示唆しているため、ロングトレードを行うことができますが、指値注文や逆指値注文を決定するためには、他のツールや指標を使用する必要があります。
上の図で丸坊主のローソク足が現れている部分は、強気派が弱気派の抵抗をほとんど受けずに価格を上昇させており、現在の市場がかなり一方向的であることを示しています。
2つ目の例では、逆の状況になっています。値動きが反転し、現在は弱気の環境で取引されています。2本の長い赤いローソクの後、弱気の終値丸坊主パターンが発生し、弱気が依然として支配的であることを示しています。
最終的には、この期間に市場が非常に弱気になっていたため、値動きは下降を続けています。弱気な終値丸坊主は、強気派がトレンドの方向性を変えられないため、支配的なトレンドが継続しようとしていることを表しています。
ここで重要なのは、どちらの場合も、丸坊主は将来の値動きの見通しについてのシグナルを生成しただけだということです。リバーサル(反転)パターンがシグナルや警告を伴ったより強力なパターンであるのとは異なり、丸坊主は通常、値動きが同じトレンドで継続する可能性を確認するためにのみ使用されます。
例えば、 USD/CAD を反転ポイントからショート(売るもしくは売り建玉を保有すること)している場合、弱気の終値丸坊主が発生すると、まだ弱気派が支配していると判断できるため、現在の取引にとどまることができます。
丸坊主のローソク足パターンは、トレンドを形成している売り方か買い方の一方が、反対方の強い反発を受けずに市場を支配している状態を表しています。そのセッションの高値と安値が始値と終値とフラットになっている、1本のローソク足のフォーメーションです。
このパターンは、上下どちらにもヒゲがなく長い実体になっているのが特徴です。これはノーマルな丸坊主パターンであり、方向によって強気にも弱気にもなります。どちらかにヒゲがある場合は、始値丸坊主か終値丸坊主となり、どちらのローソク足にも強気と弱気のバージョンがあります。
丸坊主のローソク足が形成された場合、現在の市場が一方向的であり、反転が差し迫っている兆候がないことを表しているため、価格が同じ方向に動き続ける可能性が高いということになります。
丸坊主のローソク足は、初心者でも簡単に見つけることができる分かりやすいパターンですが、複数のローソク足を使った他のパターンほど詳細ではないため、他のテクニカル指標を組み合わせて活用することをおすすめします。