首吊り線は、上昇トレンド中に高く上昇した際にできる、長い下ヒゲのついたローソク足のことです。
このパターンは、勢いをもって上昇したものの、そこが天井である可能性が高いとされており、トレンドの方向性の変化を予測するためのツールとして人気があります。このパターンをみた買い手の利益確定が入り、下降トレンドへ転換するサインといわれています。
首吊り線は、弱気のローソク足パターン と考えられており、強気筋が勢いを失っている状態から、市場が反転するという可能性を示唆しています。
首吊りが形成されてすぐに反転が始まるとは限りません。むしろ、現在のモメンタム(相場の勢い)が終盤に差し掛かり、値動きがトレンドの方向性を変える準備をしている可能性があるというメッセージです。
このローソク足は、始値、高値、終値が同じような価格で、かつ下側に長いヒゲがあります。このヒゲの長さは、本体の2倍以上あるのが理想的です。
これは弱気のフォーメーションであるため、上昇トレンドの頂点で発生します。終値が高いにもかかわらず、下に伸びる長いヒゲは、市場に参加している弱気な人の数が増えていることを示しています。つまり、上昇トレンド中に首吊り線が見られた場合、押し目買いの勢いが弱かった場合に多く、その天井で利益確定しようかと考えるトレーダーが多いということです。
首吊り線はトレンドの開始を示唆するシグナルですが、すぐに注文を出すより、トレンドの転換点となるのか判断材料に使うと良いでしょう。
首吊り線の長所は、トレンドの転換点を示唆していることです。
一方で、このパターンはあくまでもテクニカル指標です。市場からのメッセージではありますが、それをそのままシグナルとして受け取ってすぐに注文を出してはいけません。
このパターンを利用するコツは、首吊り線によって出されたシグナルの有効性を確認するために、他のテクニカルツールや状況を参考にするのが良いでしょう。
下のチャートでは、EUR/USDの時間足チャートで、プライスアクション(価格変動)が上向きに動いています。これは弱気のリバーサル(反転)パターンなので、首吊り線が発生するためには、トレンドが強気である必要があります。
短い時間軸で2本の首吊り線が形成されています。最初のローソクは反転が起こる可能性を示唆しており、次に来る長い弱気のローソクで、よりその可能性が確認できます。途切れ途切れに表れる値動きなので、あまりはっきりしないまま取引が続きます。
その後、2つ目の首吊り線を形成し、続いて弱気のローソクが現れます。これらのローソク足はすべて、反転が迫っていることを示しており、そのシナリオはその後すぐに実現しています。
首吊り線の 別の取引例を見てみましょう。
「1」と書かれたポイントでは、横ばいで推移した後、強気の押し目買いが入り、取引レンジを抜け出します。その後、次のローソク足で確認すると、反転の動きが出てきます。最終的には、前回の安値を下回り、短期的な新たな安値を形成します。