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ハンマーと逆ハンマー

ハンマーと逆ハンマーのローソク足パターン 

ハンマーと逆ハンマーのローソク足パターンは、最も人気のある取引形態の1つです。 どちらもリバーサル(反転)パターンで、下降トレンドのボトムで発生します。  
 

構造 

ハンマーは、下降トレンドの終わりに見られる1本ローソク足の強気のリバーサル(反転)・パターンです。始値、終値、高値がほぼ同じ価格である一方、下に伸びる長いヒゲがあり、その大きさは短い実体の2倍以上になります。  ハンマー・パターンの構造

実体の色に関係なく、上の写真の例は両方ともハンマーです。しかし、左のローソク足の方が、ローソク足の頂点で終値が発生し、強いモメンタムを示しているため、より強いシグナルと考えられます。  

一方、逆ハンマーはその名の通り、ハンマーを逆さにしたものです。長いヒゲが上に向かって伸び、終値、始値、安値がすべてほぼ同じ水準になります。 逆ハンマー・パターンの構造

左のローソク足は、終値が高くなるほど強気になります。このパターンは常に下降トレンドのボトムで発生し、トレンドの転換が迫っていることを示します。この場合も、ヒゲの長さは実体の2倍以上でなければなりません。 
 

ハンマーが教えてくれること 

前述した通り、これらのパターンはどちらも強力なリバーサル・パターンだと考えられています。 

一連のロウワー・ローとロウワー・ハイを生み出した下降トレンドの後、強気筋はその存在感を増しており、価格の方向性に変化があることを示唆しています。  

このように、ハンマーは価格の方向が変わる可能性を示します。これは、弱気筋が、高値引けを招く価格の押し上げを強気筋に許してしまい、短期的な新安値に追随できなかったためです。  

つまり、この高値引けは、セッションの安値付近での重要な戦いで弱気筋を打ち負かしたことにより、強気筋が値動きの主導権を握ったことを示しています。  

逆ハンマーも同じメッセージを発していますが、その過程が異なります。値動きは低く始まりましたが、上昇して弱気筋を驚かせました。しかし、弱気筋がまだコントロールしていて、値動きを押し戻して安値付近で引けていることを示しています。  

ハンマーとは異なり、逆ハンマーの場合、強気筋は高値引けを確保することができず、セッションの終了段階で敗北してしまいました。しかし、買い手が価格を高く押し上げることができたという事実だけでも、彼らが弱気筋に圧力をかけていることがわかります。 

ハンマーの強気筋がローソク足の頂点でクローズできたことから、ハンマーは逆ハンマーよりも強い反転シグナルだと考えられています。ハンマーはあらゆるパターンの中で最も強力なローソク足のパターンの1つと考えられているので、こうした見方は理にかなっています。  

しかし、この2つのパターンは、どちらも直接的な売買シグナルではありません。バランスの変化が起きているために、値動きが反転する可能性があるというサインを生成するツールであることに注意する必要があります。  
 

ハンマーでの取引方法 

前述した通り、ハンマーは強気のリバーサル・パターンです。下降トレンドの終盤で、弱気筋が優位性を失い始めたときに発生します。下図は、GBP/USDの日足チャートです。このチャートでは、値動きが下降し、短期的な安値を更新しています。 GBP/USDの日足チャート

セッションは直近の安値よりも高く始まりましたが、弱気筋は価格を押し下げて新安値を確保しました。しかし、強気筋はそれを驚かせるように、押し目をつけて上昇し、強気(緑)の終値を確保しました。この時点で、バランスが買い手側に変わったことは明らかであり、トレンドの方向性が変わる可能性が高いと言えます。  

選択肢は2つです。 

  • ハンマーが形成されたらすぐに取引を開始し、次のリバーサルの始まりを待つ 

  • 2本目のローソク足が確認できるまで待つ。それが強気(緑)のローソク足であれば、リバーサルを利用して取引を開始する。 

例として、少しリスクはあるものの、最初の選択肢を選びます。緑の水平線はエントリーポイントを示しています。これは、ハンマーが引けた水準です。赤い線は安値で、その10~20pips程度下に逆指値を設定します。  

指値として、強気筋が値動きを押し進める可能性のある次のレジスタンスラインを決定することができます。今回のケースでは、前回のスイングローを選択しましたが、今はこの水準がレジスタンスラインになっています。  

最終的に、値動きは爆発的に上昇し、約150pipsのリスクを負ったものの、300pipsの利益を得ることができました。リスク・リターンが1:2というのは、非常に良い結果だと言えます。 
 

逆ハンマーでの取引方法 

これらのパターンはどちらも強気のリバーサル・フォーメーションなので、セットアップはほぼ同じです。実際にはほとんど同じチャートですが、流れが少し遅れて発生しています。 

強気のリバーサルを示した後、値動きは再び下方へと向かい、一時的に下降トレンドで取引されます。一時、逆ハンマーが作られましたが、これは強気筋がハンマーを作ることに失敗したためです。しかし、それでも値動きをどうにか高く押し上げることができました。  ローソク足チャートに逆ハンマー

その結果、弱気筋はもうそれほど支配的ではないと強気筋が感じたため、次のローソク足は爆発的に高くなりました。強気筋は弱気筋の弱さを感じると、すぐに反応して値動きを牽引し、大きな勝利を収めています。 

このフォーメーションの取引は、ハンマーとよく似ています。逆指値は、直近のスイングローよりも下に設定すべきです。繰り返しになりますが、逆ハンマーが形成された直後か、2本目のローソク足で確認ができてから取引を開始します。指値注文は、あなたのリスク許容度に従って、直近のサポートラインよりも上に設定します。  
 

まとめ 

ハンマーと逆ハンマーは、どちらも下降トレンドの終盤に起こる強気のリバーサル・パターンです。これまで優勢だった弱気筋が勢いを失い始めていることを示します。 

つまり、ハンマーと逆ハンマーの両方が、リバーサルやトレンドの方向性の変化を示唆しています。  

しかし、これらのパターンは市場心理を測定し、トレンドの方向が変わる可能性を示唆しているだけなので、他のテクニカル指標を参考にして取引することが重要です。